君あり、故に我あり

サティシュ・クマ-ル著、尾関修・尾関沢人訳『君あり、故に我あり─依存の宣言』(講談社学術文庫、2005年)。サティシュ・クマール(Satish Kumar)は英国の社会思想家。原題: YOU ARE THEREFORE I AM: A Declaration of Dependence

サティシュ・クマールは1936年にインドに生まれ、9歳でジャイナ教の修行僧となり、18歳のときにマハトマ・ガンジーの思想に共感して還俗する。その後、デカルト以降の二元論的世界観が現代の環境、社会、精神の危機の根底にあるという立場から、相互依存にもとづく全体論(ホーリズム)的な平和主義を提唱するに至る。本書はサティシュ・クマールの幼い頃からの「心の旅」、換言すると精神史に重点を置いた自伝である。

サティシュ・クマールは自身の思想を形成するにあたってインスピレーションの源泉となった人々として、母親、小学校の教師、ジャイナ教の導師、ヴィノーバ・バーヴェ、クリシュナムルティー、バートランド・ラッセル、マーチン・ルーサー・キング、フリッツ・シューマッハーらを挙げている。


『君あり、故に我あり』(サティシュ・クマ-ル,尾関 修,尾関 沢人)|講談社
サティシュ・クマ-ル著、尾関修・尾関沢人訳『君あり、故に我あり』(講談社学術文庫、2005年)

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