モロッコ

山田吉彦著『モロッコ』(岩波新書、1951年)。1939年春夏のモロッコ旅行の紀行。モロッコという国やそこに住む人々、フランスによる植民地支配やイスラムの影響について興味深い内容を含む。山田吉彦はきだみのるの本名。

山田吉彦著『モロッコ』(岩波新書、1951年)
山田吉彦著『モロッコ』(岩波新書、1951年)

「アルガニエ」(P91)にアムルーに使われるアルガンオイルに関する記述がある。以下に引用する。

アルガニエはスースの木と呼ばれ、モガドールの東南部からティズニットの南方までの土地に、そして世界においてこの土地だけに生えている植物である。モロッコ人はその實を採集して、これを嗜食する駱駝に喰わせる。アルガニエの果肉はこの駄獸の胃袋で消化され、種子は糞と共に排出される。土人は糞の中からその種子を採集し、糞は乾かして燃料にする。採集した種子はこれを割って核子を取り出し、それから油を採集する。味はオリーブに似ている。モロッコ人はこの油を極めて珍重する。
(引用ここまで。)

モロッコの歴史や社会に関する簡にして要を得た説明に著者の学識がうかがえる。外国の小説のような趣きもある。著者のちょっと不良めいたところが岩波新書らしくなくて面白い。


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