LinuxでWineを利用してWindowsアプリケーションを動かす

WineはLinux、macOS、BSDなどのPOSIX準拠のOSでWindowsアプリケーションを動作させるための互換レイヤー。仮想マシンやエミュレータとは異なり、Windows APIコールをPOSIXコールにオンザフライで変換する。オープンソースで無料。1993年にWineプロジェクトによって開発が始められた。

Linux Mintの場合、Wineはシステムパッケージに含まれるので、ソフトウエアマネージャーから簡単にインストールできる。今回は関連ツールのWinetricksもインストールした。

続いて、Windowsアプリケーションで日本語を表示させるために、ターミナルからWinetricksを利用して日本語フォント(今回はcjkfonts)をインストールする。その後、wineserverを再起動する。

$ winetricks cjkfonts
$ wineserver -k && wineboot

Wineと日本語フォントのインストールが終わったので、ターミナルからWineに付属するWindowsアプリケーションのファイルマネージャを実行してみる。
 
$ wine explorer

デスクトップにファイルマネージャが表示される(下のスクリーンショット)。Windows PCのディレクトリ構成が再現されている。これらのツリー構造の実体はホームディレクトリの~/.wine/以下に作成されている。

Wineのディレクトリ構成(Linux Mint)
Wineのディレクトリ構成(Linux Mint)

次にWindowsアプリケーションをインストールする。今回はターミナルからWine経由で秀丸エディタのインストーラ(hm948_signed.exe)を実行した。

$ wine hm948_signed.exe

インストールが終わると秀丸エディタがメニューのWineグループに登録される。早速秀丸エディタを実行する。あっさり動いた。日本語入力も問題ない。

Wineで実行した秀丸エディタ(Linux Mint)
Wineで実行させた秀丸エディタ(Linux Mint)

追加したWindowsアプリケーションをアンインストールするときは、ターミナルからwinetricksを起動し、表示されるメニューから「Select the default wine prefix」を選択し、さらに「Run uninstaller」 を選択すると、「プログラムの追加と削除」にインストール済みのWindowsアプリケーションの一覧が表示される。
 
大昔にLinuxでWineを動かしたことはあったが、こんなに楽チンになっているとは思っていなかった。


WineHQ - Run Windows applications on Linux, BSD, Solaris and macOS
https://www.winehq.org/
公式サイト。
 
WineHQ - Wine Application Database
https://appdb.winehq.org/index.php
WineにおけるWindowsアプリケーションの動作状況のデータベース。 

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