チャールズ・レイズナー監督によるアメリカ映画『キートンの蒸気船』（1928年）。バスター・キートン主演のサイレント期のスラップスティック・コメディ。原題: Steamboat Bill, Jr.。写真は台風で倒壊する病院から脱出するビル・ジュニア（バスター・キートン）。
20世紀初め。ミシシッピ川に面するミシシッピ州の町リバー・ジャンクション。
金持ちのジョン・ジェイムズ・キングが新造船キング号を就航させる。
スチームボート・ビルことウィリアム・キンフィールド（アーネスト・トーレンス、左）は古ぼけた蒸気船ストーンウォール・ジャクソン号のオーナー兼船長。強力なライバルの登場にビルは心中穏やかでない。右は副船長で友人のトム・カーター（トム・ルイス）。
その日、キング（トム・マクガイアー、右）の娘キティ（マリオン・バイロン、中）が遊学先から帰ってくる。
ビル（中）の一人息子ビル・ジュニア（バスター・キートン、右）もボストンの大学を卒業して帰郷する。窮地のビルはビル・ジュニアを頼りにする。ところが、久しぶりに会ったビル・ジュニアは都会風の軟弱な若者になっていた。ビルは落胆する。
おまけにビル・ジュニアはキングの娘キティとは大学のクラスメートでお互いに親しかった。ビル（右から2人目）もキング（右端）もビル・ジュニアとキティの関係を断ち切ろうとする。
老朽化したストーンウォール・ジャクソン号に使用停止命令が出る。キングの差し金だと暴れたビル（右）は保安官（左）に連行され、留置場に入れられる。
ビル・ジュニア（左）は父親を脱獄させようとするが失敗する。この後、ビル・ジュニアは保安官（中）に頭を殴られ、病院に収容される。
ミシシッピー川流域に巨大な台風が襲来する。建物はなぎ倒され、船も危険に晒される。ビル・ジュニアは倒壊した病院から抜け出す。
台風が吹き荒れるなか、ビル・ジュニア（右）は機敏な働きで川を流されていくキティ（左）を救う。
留置場に閉じ込められたままのビルも救う。
最後にキング（手前）を川から救い上げる。
4人は手を取り合って無事を喜ぶ。ビルとキングは和解し、ビル・ジュニアとキティは愛を確かめあう。
猛烈な台風の下、次々に倒壊する建物を間一髪で避けながら（下のシーンなど一つ間違えたら大事故になりかねない）、キティらの救助に奔走するバスター・キートンのアクション演技が見もの。
サイレント映画とはいえ全くの無音というのは寂しい。できるだけ伴奏音楽が加えられたものを見る。弁士付きだともっといいのだが、そういう機会は滅多にない。
Steamboat Bill Jr. : Joseph M. Schenck : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
全編。音楽伴奏付き。
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