小栗康平監督による松竹映画『死の棘』(1990年)。島尾敏雄による同名の私小説の映画化。音楽は細川俊夫。 英題: The Sting of Death。写真は主演の松坂慶子。この作品ではノーメークのようだ。
太平洋戦争末期、トシオ(岸部一徳)は奄美群島の加計呂麻島に特攻隊長として駐屯する。トシオは島の娘ミホ(松坂慶子)と出会い、二人は恋におちる。戦後、トシオとミホは結婚し、伸一(松村武典)とマヤ(近森有莉)という2人の子どもをもうけ、東京で暮らす。トシオは教師をしながら、小説家を目ざしていた。そうしたなか、トシオの浮気が発覚する。映画はここから始まる。以下、映画のオープニング部分の台詞を引用する。
トシオ「お前、どうしても死ぬつもり?」
ミホ「お前などと云ってもらいたくありません」「誰かと間違えないでください」
トシオ「それなら名前を呼びますか?」
ミホ「あなたはどこまで恥知らずなのでしょう」「あたしの名前が平気で呼べるの?」「あなた様、と云いなさい」
トシオ「あなた様、どうしても死ぬつもりか?」
ミホ「死にますとも」
エンディング部分の台詞も引用する。
ミホ「あたし、治るの?」
トシオ「よく眠ったら」
ミホ「あたしが眠ったら、寂しくない?」
トシオ「寂しい」
ミホ「じゃあ、うんと騒いでやる」
トシオ「そうだね」
The Sting Of Death (1990) : Kōhei Oguri : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
全編。
島尾敏雄 『死の棘』 | 新潮社
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