地獄の黙示録

フランシス・フォード・コッポラ監督によるアメリカ映画『地獄の黙示録』(1979年)。戦時下のベトナムを舞台に人間の心の闇を描く。ジョゼフ・コンラッド著『闇の奥』(1902年)の翻案。原題: Apocalypse Now。写真は朝明けの空に飛び立つ米陸軍のヘリコプター強襲部隊。
Apocalypse Now (1979)

ベトナム戦争最中の1969年のサイゴン。
Apocalypse Now (1979)

米陸軍の空挺部隊(実は諜報部)に所属するウィラード大尉(マーティン・シーン)は指令を待ちながらホテルの部屋で一人酒浸りの日々を送っていた。彼は米国に戻った際に妻から離婚を告げられていた。彼はジャングルに戻る日を待ちわびていた。
Apocalypse Now (1979)

ある日、ウィラード大尉はニャチャンの情報・指令部への出頭を命じられる。新しい任務だった。ウィラード大尉(左端)は米陸軍特殊部隊(グリーンベレー)のカーツ大佐について説明を受ける。右から2人目はコーマン中将(G・D・スプラドリン)、右端はルーカス大佐(ハリソン・フォード)、奥の私服の男はCIA職員ジェリー・ムーア(ジェリー・ジーズマー)。
Apocalypse Now (1979)

カーツ大佐(写真)は陸軍士官学校を首席で卒業した最優秀の軍人だったが、特殊部隊に志願してから、上層部からは不健全とされる行動を取るようになった。カーツ大佐はカンボジアで彼を神と崇める現地人などからなる軍団を率いるようになっていた。それはあたかも独立国の様相を挺していた。ウィラード大尉の任務は哨戒挺でベトコンの支配するヌン川を上り、カーツ大佐の行方を追い、見つけ次第、彼を抹殺することだった。
Apocalypse Now (1979)

ウィラード大尉(中)はフィリップス上等兵曹(アルバート・ホール、右)をチーフとする米海軍の哨戒艇に乗り込み、ヌン川を遡る。哨戒挺にはその他にランス(サム・ボトムズ)、シェフ(フレデリック・フォレスト)、クリーン(ラリー・フィッシュバーン)の3人が乗船した。ランスはプロ・サーファー、シェフは料理人志望、クリーンは生意気な17歳の若者だった。
Apocalypse Now (1979)

ウィラード大尉の一行はキルゴア中佐(ロバート・デュヴァル、中央)が指揮するヘリコプター強襲部隊と合流し、ヌン川に入る際の護衛を要請する。
Apocalypse Now (1979)

ヘリコプター強襲部隊は「空の騎兵隊」と呼ばれていた。キルゴア中佐は当初護送に乗り気ではなかった。だが、ヌン川の河口でサーフィンに適した波が立つとの話を聞き、ベトコンの拠点の攻撃とウィラード大尉らの護送を決める。キルゴア中佐はサーフィン好きで、サーファーとして有名なランスのファンでもあった。

キルゴア中佐の部隊は夜明けを待ち、ヌン川河口のベトコンの拠点に向けて出陣する。
Apocalypse Now (1979)

ヘリコプター強襲部隊は拡声器からヴァグナーの「ワルキューレの騎行」を大音量で流しながら攻撃に入る。
Apocalypse Now (1979)

ベトコンの拠点を制圧すると、キルゴア中佐はサーフィンをしようとランスを誘う。だが、ウィラード大尉の一行はキルゴア中佐の誘いを振り切り、単独でヌン川を遡る。
Apocalypse Now (1979)

ウィラード大尉は船中でカーツ大佐に関する資料に読みふける。彼はカーツ大佐という謎めいた人物に任務を越えた関心を持つ。
Apocalypse Now (1979)

ウィラード大尉らはヌン川上流にあるカーツ大佐の前哨基地に辿り着く。そこはクメール寺院で、多くの死体の傍らで子どもたちが無邪気に遊んでいた。
Apocalypse Now (1979)

ウィラード大尉らの前に米国人の報道写真家(デニス・ホッパー)が現れる。彼はカーツ大佐に心酔し、行動を共にしていた。
Apocalypse Now (1979)

同様の米国人は他にもいた。ウィラード大尉(写真)は以前に自分と同じ任務で派遣されたというコルビー大尉(スコット・グレン)の武装した姿を認める。
Apocalypse Now (1979)

ウィラード大尉はその後カーツ大佐(マーロン・ブランド)と対面する。以下略。
Apocalypse Now (1979)

コンラッドによるベルギー植民地時代のコンゴを舞台とした原作のモチーフが作品のあちこちに現れる。ヘリコプター強襲部隊の迫力ある戦闘シーンで有名だが、単なる戦争映画に留まらない。


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