岡谷公二著『沖縄の聖地 御嶽』(平凡社新書、2019年)。副題は「神社の起源を問う」。沖縄の御嶽は本土における神社に比すべき聖地。この御嶽に60年余りにわたって通いつめた著者の御嶽探訪の記録と論考。
昭和36年(1961年)、著者は本土復帰前の沖縄に旅行し、波照間島で初めて御嶽を目にする。以来、憑かれたように御嶽を訪ね歩く。この探訪記が興味深く、面白い。
第2章「御嶽遍歴」の「1 波照間島の御嶽」に著者が最初に訪れた波照間島の御嶽についての記述がある。
「そこは御嶽の中心であり、祭祀の行われる聖なる場所であろうに、社殿や祠はおろか、祭壇や香炉すらなかった。この何もないことから来る清浄感、神秘感は比類がなく、私がこれまで寺や神社でかつて感じたことのないものだった。このような聖地を日本人が持ち得ていることに私は深く感動した」(p29)。
波照間島のこの御嶽はたぶん真徳利御嶽だろうということだ。
沖縄の聖地 御嶽 - 平凡社
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