能の話

野上豊一郎著『能の話』(岩波新書、1940年)。能の入門書。格調の高さを保ちながら、分かりやすく、内容も充実している。岩波新書の特装版は手に馴染む。活字も大きめなので旧字体でも読みやすい。

野上豊一郎著『能の話』(岩波新書特装版、1982年)
野上豊一郎著『能の話』(岩波新書特装版、1982年)

「序」の冒頭を以下に引用する。

能が、その最初の完成を見てから、すでに五世紀半以上の時代を經過してゐるにもかかはらず、今なほわれわれの間に生きてゐるといふことは、考えて見ると、たしかに一つの不思議である。一つの舞臺藝術が國民のものとして斯んなに長く命脈を保ったといふことは、世界のどこの國にも先例のなかったことである。

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