馬を放つ

アクタン・アリム・クバト監督によるキルギス・フランス・ドイツ・オランダ・日本合作映画『馬を放つ』(2017年)。キルギスにおいて特別な存在である馬をモチーフにして伝統と近代化との相克を描く。英題: Centaur。写真は夜の草原で裸馬を駆るケンタウロス(アクタン・アリム・クバト)。
Centaur (2017)

中央アジアのキルギス。古くは騎馬遊牧民の国であった。キルギスのことわざでは「馬は人間の翼である」という。
Centaur (2017)

キルギスの草原のとある村でケンタウロス(アクタン・アリム・クバト)は妻と幼い息子の3人で暮らしていた。
Centaur (2017)

妻マリパ(ザレマ・アサナリバ、右)はロシア系で聾唖者だった。そして、5歳の息子ヌルベルディ(ヌラリー・トゥルサンコジョフ、中)は耳は聴こえたが言葉を話したことはなかった。妻は夫や息子を愛していた。
Centaur (2017)

ケンタウロス(右端)は50歳。仕事は大工。以前はもう閉館した村の映画館で映写技師をしていた。彼は感受性が強く気持ちの優しい男だったが、世渡りに長けてはいなかった。
Centaur (2017)

ケンタウロスには隠された秘密があった。彼は夜陰に紛れて競走馬を盗んでは草原を乗り回し、その馬を野に放っていた。
Centaur (2017)

度重なる競走馬の盗難に馬主たちは馬泥棒を誘き寄せるために罠を企てる。以下略。
Centaur (2017)

牧場でレースのために飼育される競走馬は近代化のなかで失われつつあるキルギスの伝統文化の隠喩なのだろう。
Centaur (2017)


映画『馬を放つ』予告編 - YouTube

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