ジェローム・K・ジェローム著、丸谷才一訳『ボートの三人男 犬は勘定に入れません』(中広文庫、1976年)。3人の紳士が1匹の犬を連れてテムズ河をボートで旅するというユーモア小説。原著は1889年に出版された。原題: Three Men in a Boat (To Say Nothing of the Dog)。
ジェローム・クラプカ・ジェロームは1859年に英国のスタフォードシャーで生まれ、1927年にノーサンプトンで亡くなった。
ジェローム・K・ジェローム著、丸谷才一訳『ボートの三人男』(中広文庫、1976年)
ジョージとウィリアム・サミュエル・ハリスとぼく(ジェローム自身)の3人は椅子に腰かけ、煙草をのみながら、どうも近ごろ具合がよくないということを喋りあっていた。傍らには犬のモンモランシーがいた。
「おれたちには休息が必要だよ」
とハリスが言った。するとジョージは
「休息と、それから気分転換だな。頭脳の極度の緊張が、全身の機能を低下させたんだ。環境を変えて、頭を使わなくてすむようにすれば、精神はまた安定するさ」
かくして、3人は犬のモンモランシーとともにテムズ河をボートで漕ぎだす。
ボートの三人男 | 中広文庫
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