国語辞典を買う

2024年12月中旬、久しぶりに国語辞典を購入した。きっかけはスマートフォンの買い替えだった。以前のスマートフォンで『新明解国語辞典』(三省堂)の辞書アプリを使って重宝していた。新しいスマートフォンでもこれを使おうとしたところ動作しない。原因はこの辞書アプリを提供していたBIGLOBEが2023年3月末をもって辞書アプリのサービスを止めてしまっていたため、肝心の辞書データのダウンロードができなくなったからだった。辞書アプリを購入し直そうかとも考えたが、値段が張る上に同じようなことが起きる可能性もある。これを機会に紙の辞書に戻ることにした。

まず家にある『岩波国語辞典』第4版(1986年)を久しぶりにパラパラめくってみた。だが、ことばの説明が簡潔過ぎて物足りない。用例が少ないのも気になる。これは説明がやや饒舌な新明解国語辞典に慣れてしまったせいかも知れない。それに国語辞典とはいえ40年前に出版されたものでは古すぎるように思った。結局、紙の国語辞典を買い直すことにした。

近所の図書館に出かけて、備え付けの国語辞典を手に取ったり、サンキュータツオ著『国語辞典の遊び方』(角川学芸出版、2013年)を拾い読みしたりした(この本は各種の国語辞典を比較していて読み物としても楽しい)。そうしたことがあって『新明解国語辞典』第7版(三省堂、2017年)と『明鏡国語辞典』第2版(大修館書店、2010年)をブックオフで買った。2冊とも使用感はほとんどなく、合わせて700円程度と驚くほど安かった。

それ以降、3冊の国語辞典をそのときの気分で引いている。たまたま引いた国語辞典の説明に腑が落ちなければ、他の国語辞典にも当たる。小学生のとき以来、何種類かの国語辞典を使ってきたが、一度に複数の国語辞典を使うのは初めてだ。個々の国語辞典にはそれぞれ個性がある。引き比べると面白い。多くの人がいうように、国語辞典は何冊か併用することでことばに対する理解が深まるのだなと改めて感じる。


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新明解国語辞典(三省堂)

明鏡国語辞典 第三版
明鏡国語辞典(大修館書店)

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