DBAN

ある企業がPCを廃棄処分したら、そのPCのハードディスクが秋葉原で中古品として販売され、そのハードディスクから元のデータが読み取れたという嘘のような本当の話しがある。ハードディスクを初期化するだけでは元のデータは完全には消去されない。手持ちのPCやハードディスクを処分する際は事前にデータ消去ソフトでデータを消去している。

DBANはオープンソースのハードディスクのデータ消去ソフト。正式名称: Darik's Boot and Nuke、略称: DBAN。ATA、SATA、SCSI規格のハードディスクのデータ消去に対応している。ソリッドステートドライブ(SSD)には対応していない。x86アーキテクチャのPCで動作する。Darik Horn氏が開発した。無料。

DBANにはLinuxが同梱されており、CD、DVD、USBメモリーなどからLinuxを起動し、Linux上でDBANを実行する。DBANはハードディスク内のすべてのデータ領域を擬似乱数などで上書きすることでデータの読み取りができないようにする。擬似乱数生成アルゴリズム、消去方式、消去回数などは指定することができる。実行時間は通常ハードディスク1台につき数時間かかる。

DBANの起動画面
DBANの起動画面

DBANのオプション選択画面
DBANのオプション選択画面

DBANは2013年にフィンランドのBlancco社に買収された。DBANの開発は2015年6月にリリースしたDBAN 2.3.0で終了している。Blancco社はその後、DBANの機能を拡張したBlancco Drive Eraserを企業向けに提供している。

DBANは既に開発が終了しているので最新のハードウエアには対応していない可能性がある。そうした心配がある場合はDBANからフォーク(派生)したプロジェクトで現在も開発が継続されているShredOS Disk Eraserを使用するほうがいいかもしれない。ShredOS Disk Eraserもオープンソースで無料である。


Data Removal: Darik's Boot and Nuke - DBAN
公式サイト。DBANがダウンロードできる。スクリーンショットはこのサイトから拝借した。

ShredOS download | SourceForge.net
ShredOS Disk Eraserがダウンロードできる。

コメント