2024年4月上旬某日、晴れ。松島の友人と待ち合わせて、秋田市で飲む。写真は夜の川反通り。
JR秋田駅に14時過ぎ到着。今夜は「ホテルなにわ」に泊まる。秋田駅から徒歩5分のこじんまりとした家庭的な旅館。1階入口左に飲食店を併設している。
今夜の1軒目は川反。秋田駅から徒歩15分。川反は旭川に面した古くからの飲み屋街。かつて花街だった面影が残る。みきょう小路の「味美」に入る。みよしと読む。下の写真の通路の右手に暖簾が下がっている。カウンター席と小上がりの小さな居酒屋で海鮮料理を出す。狭い店内で4人の家族が働いている。知り合いの家の茶の間で飲んでいるような雰囲気の店だった。
白木のカウンターが清々しい。ビールを省略して日本酒の燗で始める。銘柄は高清水。お通しはカスベの煮付け。
2022年6月に吉田類が酒場放浪記の収録で来たときの色紙があった。「コロナ禍だったので他のお客さんを入れないで撮影した」と気さくな息子さんが説明してくれた。
なた漬け。甘味を抑えたべったら漬けのような大根の麹漬け。
宿にも近い秋田駅前に移動し、2軒目の「からす森」に入る。秋田市民市場のそば。日本中どこにでもあるようで意外に少なくなってしまった大衆酒場。17時の開店直後から常連客が次々と来店する。この夜もほぼ満席。
燗酒を2杯飲む。この店は両関酒造の銀紋を出す。
ホルモン煮込み(豆腐入り)。ホルモンの下処理が丁寧で品がいい。沖縄の中味汁を思い出す。
タン(手前)とハツ(奥)の塩焼き。その部位本来の味が濃い。この店は酒も料理も水準が高い。
ホテルなにわの4畳半和室。トイレと風呂は共同。共同風呂は檜造りの人工温泉。敷布団はボディドクターのラテックスフォーム。寝心地がいい。
翌日も晴れ。ホテルなにわの朝食が出色。一品一品が吟味されている。まずお茶がおいしい。ご飯は当然のようにうまい。アオサの味噌汁が爽やか。塩紅鮭はむやみに脂っぽくない。切り干し大根の煮物は甘めの味付け。陶板焼きはボローニャソーセージ、さつま揚げ、シメジ、クレソン。地元の鈴木牛乳は初めて飲んだ。上質な家庭料理をいただいているような気分になった。経営するご一家のホスピタリティーも申し分ない。快適な一夜だった。
チェックアウト後、近くの秋田市民市場に寄る。なた漬け、大根の醤油漬け、筋子とあつみのかりん糖を買う。
筋子は「高寅」で買った。この店では10種類以上の筋子がケースに並ぶ。「昔の味(の筋子)」から「小粒で細目のもの」を選んで包んでもらった。
朝9時過ぎ、秋田駅から帰路につく。
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