黒澤明監督による日米合作映画『夢』(1990年)。黒澤自身が見た夢をもとにした8つのエピソードから構成されるオムニバス形式の作品。各エピソードの冒頭には「こんな夢を見た」という字幕が入る。英題: Dreams

第1話「日照り雨」。子どもの私(中野聡彦)は狐の嫁入り(舞踊集団菊の会)を見る。
黒澤明 - 夢

第2話「桃畑」。子どもの私(伊崎充則、手前)は雛壇で舞う桃の木の精(二十騎の会)を見る。
黒澤明 - 夢

第3話「雪あらし」。雪山で遭難しかけた私(寺尾聰、手前)の前に雪女(原田美枝子、奥)が現れる。
黒澤明 - 夢

第4話「トンネル」。一人復員した陸軍将校の私(寺尾聰、手前)の前にトンネルの中から戦死した小隊の亡霊が現れる。
黒澤明 - 夢

第5話「鴉」。美学生の私(寺尾聰、左)はゴッホの絵になかに入り込む。そこではゴッホ(マーティン・スコセッシ、右)が絵を描いていた。
黒澤明 - 夢

第6話「赤冨士」。私(寺尾聰)は富士山が噴火し、原子力発電所が爆発する事態に遭遇する。
黒澤明 - 夢

第7話「鬼哭」。私(寺尾聰、左)は放射能で汚染された荒野で鬼(いかりや長介、右)に出会う。そこではタンポポが巨大化していた。
黒澤明 - 夢

第8話「水車のある村」。旅人の私(寺尾聰、左)は水車のある村で老人(笠智衆、右)から自然とともに生きる生活について聞く。
黒澤明 - 夢

第8話の続き。水車のある村の故人の長寿を祝う葬儀。
黒澤明 - 夢

黒澤明版『夢十夜』。黒澤が実際に見た夢そのものに近いと思われるエピソードと、夢を引用しながら(あるいは夢の形式をとりながら)彼本来の考えや主張を投影したエピソードがある。例えば、第1話「日照り雨」や第2話「桃畑」は前者だろうし、第6話「赤冨士」と第7話「鬼哭」は、『生きものの記録』(1955年)と同じような主張が見られるから、後者だろう。


Dreams (夢, Yume ) Akira Kurosawa 1990 - YouTube
全編。英語字幕。

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