市川沙央『ハンチバック』(『文學界』2023年5月号)。話題の芥川賞受賞作なので内容に触れるつもりはないが、冒頭の書き出しがちょっとユニークだった。
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<title>『都内最大級のハプバに潜入したら港区女子と即ハメ3Pできた話(前編)』</title>
<div>渋谷駅から徒歩10分。</div>
<div>一輪のバラが傾く看板を目印にオレは欲望の城へと辿り着いた。</div>
(引用ここまで。)
この小説は、主人公がWebのコタツ記事ライターのアルバイトをしていて、主人公の書いたその記事から始まる。それがHTML文のままなのだ。新しい小説はあまり読まないので不案内だが、1行目がHTMLタグで始まる作品など珍しいのではないだろうか。
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