東崎

喜納昌吉作詞作曲「東崎(あがりざき)」。『喜納昌吉&チャンプルーズ』(1977年)の収録曲。与那国島の東端の岬の東崎(あがりざき)を訪れたときの心境を歌っている。若き日の喜納昌吉の沖縄に寄せる心が伝わってくる。以下は歌詞(LP解説による、訳詞のみ一部修正)。

与那国ぬ島に渡て / 与那国に渡り
東崎 登て見りば / 東崎に立ってみれば
あん美さ波ぬ 花になゆさ / 波の花がすばらしく美しい
情き深さ 島ぬ 心あらわす 波ぬ花 / 情深い島の人たちの心のように
いちまでん いちまでん ながみぶさ / 我を忘れ 時を忘れ 立ちつくしてしまう

東崎 登て見りば / 東崎からながめる景色
昔沖縄 うびじゃすさ / 昔の沖縄を思い出す
あさましや 変て あゝ生り島 / 今では変わり果ててしまった 生れ島
海ん山ん 変わるなよ 人ぬ心ん変わらすな / 海よ山よ 人の心を変わらせてはくれるな
いちまでん いちまでん 東崎 / いつまでも いつまでも この東崎のように

東崎 見りば知ゆさ / 東崎のあの自然を見れば
人ぬ道 生まりたる運命 / 人の道 運命がそこにある
御万人に知らしぶさ あゝくぬ悟い / すべての人に知らせたい このすばらしさを
鳥ん 花ん 蝶ん 供に語て いちぶさや / 鳥も花も蝶も共に語り 暮らしたい
いちまでん いちまでん 忘らゝん / いつまでもいつまでも 心にしみて忘れられない

2013年10月に石垣島に旅行したとき、思い立って日帰りで与那国島を訪ねた。東崎にも行った。他には誰もいなかった。東崎の海に面した部分は高さ100mの断崖絶壁。台地の部分は芝生が広がる牧草地。一帯には与那国馬がたくさん放牧されていた。至るところに馬糞が落ちていて、馬糞公園の様相を呈している。馬糞を避けながら歩いた。写真は南側の芝生。何度も尾籠な話で恐縮だが、ところどころ黒く見えるのは馬糞。
与那国島 - 東崎

東崎の北側。景観は北側のほうが荒々しい。
与那国島 - 東崎

東崎の南側。この先に西表島や石垣島があり、その更に先に宮古島や沖縄本島が続く。
与那国島 - 東崎

突端の東崎灯台。与那国馬は人間にはまったく無関心。一心に牧草の芝を食んでいた。
与那国島 - 東崎

このときに与那国島で乗ったタクシーの若い運転手は喜納昌吉の「東崎」のことを知らなかった。「そんな歌があるんですか」といっていた。その後、聴いてくれただろうか。


沖縄民謡/沖縄の歌 喜納昌吉/東崎 沖縄を代表するミュージシャン喜納昌吉熱唱 - YouTube
ライブ映像。

CD音源。背景は東崎の風景。

喜納昌吉&チャンプルーズ - ハイサイおじさん - YouTube
おまけ。同じアルバムに収録された『ハイサイおじさん』のライブ映像。

コメント

ヤスシ さんの投稿…
沖縄 42歳から3年間転勤で住んでいました。その間先島を巡ってきました。もう30年前の話になります。変わったんでしょうね。山も海も人の心も。