後生掛温泉と焼山

後生掛温泉に2018年10月3日から1泊2日で行った。一人旅だった。後生掛温泉のある八幡平周辺の紅葉は毎年10月10日頃が見頃。このときは1週間早かった。熊注意の立て札があちこちにある。宿の受付で夜間や早朝は熊が出没するので出歩かないようにと説明を受けた。ただ、この周辺では熊による被害はないそうだ。

後生掛温泉には旅館部と湯治部がある。このときは湯治部の極楽寮のオンドル大部屋に宿泊した。湯治部は自炊が原則なので、キャンプ用の炊事用具と食材を持参して、簡単な食事を作った。後生掛温泉は昔ながらの湯治場気分に溢れている。泉質も最高だ。
後生掛温泉

極楽寮のオンドル大部屋は空いていた。眺望がないので人気がないらしい。好きな区画を選んだ。長逗留らしい一人客やプロの山菜採りグループがお互いに離れて静かに過ごしている。開放的でゆっくりできる。夜も午後8時頃には皆寝てしまう。少し登った八幡平の山頂なら雪が降る時期だが、床下に温泉が通っているので、薄い敷布団と毛布1枚でも暑くて寝苦しいくらいだった。
後生掛温泉の極楽寮

湯治部の台所には水道とガスがある。冷蔵庫はなく、食材や飲み物は流水で冷やす。屋外に温泉を利用した作り付けの蒸し器がある。ここで肉、野菜、玉子、レトルトご飯などを蒸した。缶ビールは館内で買えた。
後生掛温泉の蒸し器

翌日は快晴。後生掛温泉から焼山経由で玉川温泉までトレッキングすることにした。後生掛温泉から少し行くと原っぱに出る。来た方向を振り返ると、八幡平がよく見える。見渡す限り、他には写真に写っている単独のトレッカーがいるだけ。気持ちがいい。
八幡平

あちこちに紅葉が見られた。紅葉は日に日に進むだろうが、見頃はやはり1週間くらい先か。
焼山

焼山はこの辺りから次第に火山の様相を呈する。数百メートル先の山の中腹を1頭の熊がゆっくりと横切っていくのが見えた。距離があったので黒い米粒のようにしか見えず、怖くはなかった。
焼山

焼山は活火山なので登山道以外は立ち入り禁止。後生掛温泉や玉川温泉は焼山の火山活動によるものだ。
焼山

焼山の火口湖。
焼山

焼山の山頂を経由して、玉川温泉に下山した。玉川温泉への下山ルートは樹木が生い茂って眺望はなく、薄暗くて、いかにも熊が出てきそうな雰囲気だった。玉川温泉からは路線バスで後生掛温泉に戻り、預けた荷物をピックアップして、東京に帰った。

2022年春に後生掛温泉はリニューアルされた。これを契機に湯治部の極楽寮と若竹寮は廃止された。

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