2014年春に折りたたみ式自転車を初めて購入した。スポーツタイプの自転車は以前から持っていた。ただ、気軽な街乗りには向かない。小型のミニベロか折りたたみ式が欲しくなった。
いろいろ調べて、アメリカで創業したメーカーが台湾で作っているKHS F-20Tという折りたたみ式がよさそうに思えた。近所の自転車屋さんで訊いたら、販売代理店にも在庫がなく、入荷は半年以上先だという。しかたなく、台湾の販売店から個人輸入した。日本人の経営なので注文は楽だった。購入費用は追加のオプションや送料を含めて5万円くらい。日本で買うより割安だった。
届いたKHS F-20Tはイタリア製のスポーツカーのような真っ赤なカラーリングで、外見は気に入った。タイヤは20インチの小口径だが、外装変速機付きなので、一般の自転車に遜色ないスピードが出る。
折りたたみ式だから、たたんで専用バッグに入れると、輪行といって電車やバスで持ち運べる。便利だと思った。しかし、実際に運んでみるとこれが想像以上に重い。たたんだときにかさ張って、持ちにくいせいか。結局、輪行は秩父の札所巡りなど数回で止めた。
折りたたみ式はタイヤの口径が小さく、車でいうホイールベースも短い。そのため、小回りが効き、こぎ始めるときに力をあまり要しない。最初はとても乗りやすいと思った。
しかし、小口径のタイヤには欠点があった。一つ目は不安定なこと。小回りが効く分、ハンドルがフラフラしやすい。また、縁石などを乗り越えようとする際にタイヤのグリップが失われて転倒しやすい。二つ目はタイヤの傷みが早いこと。パンクが多い。三つ目は乗り心地が固いこと。こうした欠点は予想していなかった。事前の勉強が不足していたし、販売店も積極的には教えてくれない。
なかでも転倒しやすいのは大変困る。先日、広い道路で路上駐車のトラックを避けるために車道から歩道に移ろうとして、段差のところで転倒するミニベロを目撃した。ご高齢の男性だった。ヘルメットはしていて、大丈夫だという。別の日は小雨のなかを車道から歩道に移ろうとして転倒する折りたたみ式を見た。あの段差は鬼門だ。それに加えて、車道の両側は度重なる工事で路面がでこぼこだ。走る車のすぐ脇でミニベロが転んでもおかしくない。小口径の自転車は意外に危ない。
購入した折りたたみ式は、こうした欠点にも関わらず、その他に目立った問題はなく、格好も気に入っていたので、日常の足としてずいぶん乗った。サドルやタイヤなどの交換も自分で行った。愛用したといっていいだろう。そのせいか、近頃はだいぶへたってきた。今は買い替えを考えている。
ただ、折りたたみ式はもう買わないだろう。やはり、不安定な小口径は心配だ。
F20-T – KHS Bicycles 功學社單車
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