コロナ禍直前の2019年12月に台湾に行った折、淡水河の河口にある街、淡水を散策した。台北市内からはMRT淡水信義線に乗れば40分ほどで行ける。淡水に来るのは二度目だ。
淡水駅近くの店が改装中だった。二人の職人さんが木製の脚立に乗って作業をしていた。二人は脚立に乗ったまま足だけで脚立をカタカタとリズミカルに操り、まるで竹馬に乗るように左右に移動しながら作業をしていた。手が止まることも、足元に視線を移すこともない。大した名人芸だ。これだといちいち脚立から降りなくてすむから、さぞかし仕事がはかどるだろう。しばらく見入った。しかし、地元の台湾人たちは立ち止まるでもなく、通り過ぎて行く。職人がこの程度の技を使うのは台湾ではふつうなのか、あるいはこんなことで驚いているほど台湾人は暇ではないのか。台湾の成長を傍観する日本という構図にどこか似ている。
淡水河沿いの遊歩道を河口に向かって歩く。写真の向こう側が外海。淡水港は19世紀後半には台湾最大の港湾として栄えた。だが、河口に砂が堆積し、日本統治時代に基隆港が建設されたため、淡水港は衰退した。
台湾基督長老教会淡水教会(淡水礼拝堂)。1933年に建てられたゴシック様式の教会。
紅毛城の手前にある前清英國領事官邸。19世紀後半に建てられた。並んだ大砲は装飾。
この日は淡水駅から徒歩で紅毛城を目ざした。紅毛城は17世紀前半にスペイン人が建てた砦。ただ南国の台湾を歩いて少し疲れたこともあり、紅毛城には寄らず、バスに乗って淡水駅に戻った。帰りには淡水駅のそばの老街に寄るつもりだったが、これも見送り。淡水にまた来ることがあったら、対岸に渡ってみよう。台北市内から淡水河を船で下って来るのもよさそうだ。
淡水区 - Wikipedia
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