庭木の冬囲い(1)

出身地は東北地方。冬はかなりの積雪があり、雪の重みで庭木に枝折れなどの被害が出る。そのため、毎年11月は実家で庭木の冬囲いに粛々と励む。

囲い方は親のやり方を踏襲しつつ、植木屋さんに倣った自己流。資材は長木、竹、棒、板、麻縄、シュロ縄を使う。伝統的な冬囲いに近い部類だと思う。
この時期は日増しに紅葉が進むので、紅葉や花と関係のない樹木から作業する。

馬酔木は姿が好ましく、春にはスズランに似た可憐な花が咲く。
実家の庭では樹高3mのこの木だけ。長木を6本立て、横に延びた枝が雪で折れないように支える。
簡単な仕掛けだが、積雪が比較的少ない場所にあるので、これで充分。同じ庭でも雪が溜まりやすい場所、溜まりにくい場所がある。冬囲いの仕掛けはそれを考慮して決める。
庭木の冬囲いはこの馬酔木から始めるのが慣わしだ。

四角く剪定したオンコ(イチイ、アララギ)はハウスのように長木を組み、板で囲う。オンコは耐寒性に優れるが、常緑樹なので枝に重い雪が載るとペシャンコになる恐れがある。
人の背よりも高い囲いだが、雪の多い年は雪の下にすっぽりと埋まってしまう。

麻縄は直径8mmのものを使う。藁縄よりも結びやすく耐久性がある。使う場所にもよるが、2~3年は充分使える。
板を結びつけるとき、縄は男結びで結ぶ。男結びは長く巻かれた縄を切らずに端から結んでいくことができる。

下の写真手前中央の赤く紅葉した枝が垂れているのはベニシダレ。枝吊りを施しているが、このままでは積雪に耐えられない。
紅葉の見頃が過ぎたら、長木を組んで、板で囲う。その右の赤く紅葉したドウダンツツジは水平方向にぐるりと縄で縛る。
左の常緑樹のイヌツゲは板囲いする。

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