白土三平の好奇心

白土三平著『白土三平の好奇心1 カムイの食卓・白土三平』(小学館、1998年)と同『同2 三平の食堂・白土三平』(同)。月刊誌『ラピタ』に連載された「白土三平の好奇心」の単行本化。版元品切。
白土三平の好奇心

『白土三平のフィールド・ノート』(1987年、1988年)と同じような趣向の内容だが、『白土三平の好奇心』の方が白土三平の文章(いいかえると白土三平の考え)の占めるウェイトが大きい。『カムイの食卓・白土三平』の「まえがき」の末尾を以下に引用する。

私のとりとめのないレポートは、求めることによって多くのものを失った者が、かつては苦しくとも喜びを自然と共有した世界があったという残照と断片を、何らかの形で残しておきたいという動機に依るものであるに過ぎない。

「求めることによって多くのものを失う」というフレーズは晩年の白土三平の文章を読んでいると何度も遭遇する。

コメント