2025年5月24日(土)。甲府市の武田神社にある甲陽武能殿(能楽殿)で第19回武田の杜薪能を観る。この日の甲府市の天気予報は夕方から雨。雨具を用意して出かける。写真は休憩時間の能楽殿。この後、雨が降り出す。
開場時間の16時を少し過ぎた頃、武田神社に到着。観客席はまだ疎ら。和服姿のご婦人もいる。ほどなく雨がパラパラと降りだすが、いつの間にか止む。下の3枚の写真は開場直後。
雨天のため篝火の火入れ式は中止するという場内アナウンスがあった。誤解を招きそうな表現だが、篝火そのものを取り止めるということだった。
17時開演。まだ曇り空ながら意外に明るい。実行委員長と宮司に続いて、佐久間二郎が挨拶。雨の予報があるので、演出を一部変更して、進行を早めるという説明があった。また、演者の能舞台への出入りには舞台右手奥の切戸口(写真奥)を使わず、左手の橋掛り側から出入りするという。衣装が濡れるのを避けるためだろう。ほとんどの観客は既に雨具を着用している。
仕舞「龍田」(観世喜之)、同「甲陽」(佐久間二郎)。観世喜之はもうすぐ卒寿だそうだ。仕舞はいつもより格段に短く、いわゆる巻いているのが素人目にも分かる。
続いて狂言「仏師」(シテ大藏教義)。
その後の休憩時間は予定では20分のところを10分間に短縮していた。次の演目の準備として、本来は演者が登場してから持ち込まれる作り物(今回は紅葉した戸隠山に見立てられた衝立)は休憩時間に設えていた(一番上の写真)。
能「紅葉狩」(シテ佐久間二郎)が始まる頃、雨が降り出し、次第に本降りとなる。心なしか演者の気合いが高まったように感じる。
19時40分終演の予定が18時50分に終わる。観客はすぐに席を立つ。雨の中の薪能は何かと気ぜわしく、その結果として、味わいや余韻に少々欠けるものだった。
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