小栗康平監督による日本映画『泥の河』(1981年)。木村プロダクション製作。昭和31年の大阪を舞台に川縁の小さな食堂の息子と宿船で暮らす母子家族の息子との交流を描く。原作は宮本輝の同名小説。英題: Muddy River。写真は喜一ら一家の暮す宿舟。
昭和31年の大阪。
川縁に小さな食堂がある。作品中ではうどん屋といっていた。
小学校3年生の板倉信雄(朝原靖貴)はこの食堂の息子。
信雄は父の晋平(田村高廣、左)、母の貞子(藤田弓子、右奥)と三人で暮らしていた。
ある雨の日、信雄(左)は松本喜一(桜井稔、右)という同い年の少年と知り合う。
喜一(右)は食堂の対岸に前日から停泊する宿舟(人が住むための舟)で母親の笙子と2歳年上の姉の銀子(柴田真生子、中)と暮らしていた。喜一と銀子は学校には通っていなかった。未亡人の笙子は舟で客を取っているという噂があった。 写真左は信雄。
喜一と親しくなった信雄は両親に喜一と銀子を家に呼んでもいいかと訊く。父の晋平は少し考える。信雄「連れて来たらあかんの」。晋平「かまへん。それはかまへんで」「けどな、夜はな、あの舟、行ったらあかんで」。信雄「なんで」。晋平は答えない。
ある晩、喜一(手前左)と銀子(手前右)は信雄(奥左)の家に招かれる。晋平と貞子(奥右)は店を早じまいして、二人のために夕食を用意していた。喜一と銀子は信雄の両親とも親しくなる。以下略。
おまけの写真を2つ。1つ目は喜一と銀子の母親の笙子(加賀まりこ)。信雄に「うちの子がいつもお世話になって」「お父さん、お母さんにほんまに感謝してます」と礼をいうシーン。
2つ目は信雄と喜一を前に手品を見せる晋平。この作品での田村高廣は『無法松の一生』(1943年)における阪東妻三郎を彷彿とさせる。
小栗康平監督の傑作。子役三人の演技も出色。
Muddy River (1981) : Kōhei Oguri : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
全編。
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