オルテガ・イ・ガゼット著、神吉敬三訳『大衆の反逆』(角川文庫、1967年)。生活水準の向上に伴う大衆の台頭は道徳の低下や社会の不安定化をもたらすと説く。ホセ・オルテガ・イ・ガゼットはスペインの哲学者。原著は1929年に刊行された。原題: La rebelión de las masas、英題: The Revolt of the Masses。
オルテガ・イ・ガゼット著、神吉敬三訳『大衆の反逆』(角川文庫、1967年)
「選ばれたる人とは、自らに多くを求める人であり、凡俗なる人とは、自らに何も求めず、自分の現在に満足し、自分に何の不満も持っていない人である」(P65)。
この評論からは著者の強靭な知性が絶え間なく放射される(彼の貴族的なエリート意識も相当なものだが)。100年近く前に刊行された本だが、目下の社会や政治の状況について考える上でいまだに示唆的だと思う。
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