ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督による台日合作映画『憂鬱な楽園』(1996年)。台北のしがないチンピラヤクザの当てのない日々を描く。原題: 南國再見,南國、英題: Goodbye South, Goodbye。写真は嘉儀の山道でバイクを走らせる、手前からピィエン(リン・チャン)、マーホァ(伊能静)、ガオ(ガオ・ジェ)。
台北の下っ端ヤクザのガオ(ガオ・ジェ、前)。この日は兄貴分のシイに頼まれ、台北近郊の平渓に賭博の胴元をしに行く。後ろは助手役の弟分ピィエン(リン・チャン、奥)と彼の恋人マーホァ(伊能静、左)。ピィエンとマーホァは汽車のなかでふざけあっている。
平渓でピィエンとマーホァはいつものようにお荷物だった。マーホァはまるで役に立たない。ピィエン(右端)は自分の絶壁頭をからかわれ、喧嘩を始める。
喧嘩の翌日、線路を見下ろしながら飯を食うピィエンの絶壁頭。
ガオ(右)にはホステスをしているアイン(シュウ・グイイン、左)という恋人がいた。ガオはアインに上海でレストランを経営したいというあまり現実的でない願望を話す。だが、アインはガオに自分たちの将来についてもっと堅実に考えてほしいと思っていた。
ガオと彼の兄貴分シイは中国での投資話に乗ってしくじる。激昂したシイ(キン・ジェウェン、右)は取引相手の男を怒鳴り付ける。
ガオはピィエンとマーホァを自分の家に居候させていた。マーホァはアインと同じ店で働くホステスである。この日、マーホァ(右から2人目)はホストクラブのツケが原因で自殺を図る。ガオ(左端)は事情を知っていたピィエン(左から2人目)を叱る。アイン(手前)は3人のやり取りから顔を背けている。
その後、シイとガオは養豚場の土地買収に伴う種豚の取引詐欺を画策する。
更にその後、ガオ、ピィエン、マーホァの3人はピィエンの故郷の嘉儀に出向く。今度はピィエンの父親が残した遺産の相続問題だった。以下略。
この作品は個々のシークエンスが粗雑に繋ぎ合わされていて(たぶん意図的なものだろう)、おまけに登場人物たちの数少ない台詞も聞き取りにくい。そのため、さほど複雑な筋書きでもないにも関わらず、ストーリーの展開が分かりにくい。その一方で、作中の至るところに叙情的で印象に残るシーンがある。リン・チャン(林強)による音楽もセンスがいい。
Hou Hsiao-Hsien’s GOODBYE SOUTH, GOODBYE | Sat Sept 15, 2018 | AFS Cinema - YouTube
予告編。英語字幕付き。
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