陶芸家の河井寬次郎の住まい兼陶房を公開している施設。所在地は京都市東山区五条坂。建物は木造2階建、瓦葺、建築面積148㎡。1937年に建設された。大工の家に生まれた河井寬次郎自身が設計したとされる。
河井寬次郎記念館は映画『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』(1982年、シリーズ第29作)のロケ地として使用された。下は玄関。映画では「河井寬次郎記念館」という扁額が外されている。湾曲した犬矢来に風情がある。
寅次郎は京都の葵祭で加納作次郎(十三代目片岡仁左衛門)という老人と知り合う。作次郎は著名な陶芸家だった。
作次郎は寅次郎が気に入り、五条坂の自宅に連れ帰る。
入口を入ってすぐのサロンのような雰囲気の客間。右から寅次郎(渥美清)、作次郎、その弟子近藤(柄本明)。照明のシェードも河井寬次郎のデザイン。
加納家の女中かがり(いしだあゆみ)。生まれ故郷の丹後には母と娘がいる。
加納家の婆やのはる(岡嶋艶子)。
階段箪笥を上がって2階へ行く作次郎。この階段箪笥は濱田庄司から河井寬次郎に贈られた。晩年の片岡仁左衛門は目が不自由だったが、そのせいか這うように上っていた。
2階の吹き抜けに面した椅子に腰かけて足を伸ばす寅次郎。
2階の書斎で何事にも控え目過ぎるかがり(手前)を叱る作次郎。
中庭とその向こうにあるのが陶房。
作次郎の回す轆轤。
河井寬次郎記念館の配置図。
この家は河井寬次郎の美意識が隅々まで行き届いている。居心地もよさそうだ。
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