ジェシカ・ユー監督によるアメリカ映画『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』(2004年)。ヘンリー・ダーガーの生涯、作品、関係者の証言から構成されたドキュメンタリー。ナレーションは当時7歳の少女が担当した。原題: In the Realms of the Unreal。写真はダーガーの作品。
「背は高くないわ」「むしろ小柄だ」「たぶん163~165cm」「165~167cmくらいかな」「見た目は浮浪者よ」「ホームレスに見えた。でも違うわ。貧しかったの」「いつも踝まである第一次世界大戦の軍用コートを着てた」「ほとんど一年中着てたよ」「汚れてあちこち繕ってあったわ」「彼は何でも繕ったの。手先が器用で」「彼なりに見た目には精一杯気を配っていた」。
ヘンリー・ダーガーは教会に何度も養子縁組を願い出たが、叶えられなかった。写真は1971年のダーガー。
ヘンリー・ダーガーは独自の制作技法を編み出した。新聞や雑誌の記事、写真、漫画などを毎日切り抜いては古い電話帳に貼っていった。スクラップの収集のためにゴミ捨て場を漁った。それらをもとに絵を練習し、コラージュ、コピー、トレースなどの技法を取り入れた。物語はお気に入りの本から借用した。写真はダーガーの収集したスクラップの一つ、1911年にシカゴで殺害されたエルシー・パローベク(当時5歳)。
晩年、ダーガーはラーナー夫妻の世話で救貧院(老人ホーム)に入所する。夫妻は掃除のためにダーガーの部屋に入り、膨大な作品を発見する。ラーナーはすぐにその芸術的な価値を認め、その後夫妻は部屋と資料の保存に努めた。
全編。字幕なし。
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