小津安二郎監督による松竹映画『東京暮色』(1957年)。父と様々の問題を抱えた二人の娘の物語。エリア・カザン監督『エデンの東』(1955年)の翻案といわれる。英題: Tokyo Twilight。写真は明子(有馬稲子)。
銀行の監査役をしている杉山周吉(笠智衆)は次女の明子(有馬稲子)と雑司が谷で暮らしていた。明子が3歳の頃に周吉は京城の支店に単身赴任した。杉山の妻はそのときに留守宅の世話をしていた杉山の下役と出奔していた。
長女の孝子(原節子)は嫁に行ったが夫との折り合いが悪く、幼い娘を連れて実家に戻ってくる。
明子(中)は英文速記を学ぶ学生。素行の良くないグループとの付き合いがあり、そのグループの木村(田浦正巳)の子を身籠る。だが、家族には隠している。
明子が付き合いのあるグループが利用する五反田の雀荘の女主人喜久子(山田五十鈴)が明子のことをしきりに尋ねていたと聞き、明子は喜久子が自分の母親なのではないかと疑う。明子(右)は喜久子(左)に会う。しかし、明子は母親の顔を覚えておらず、確信が持てない。
ある日、周吉の妹重子(杉村春子、中)が偶然喜久子と遭遇する。重子はそのことを周吉と孝子に知らせる。孝子は雀荘に喜久子を訪ね、喜久子が母親であることを明子にはいわないように頼む。
明子(右)が妊娠したことを知ると、木村は明子を避けるようになる。明子は自分で金を工面して中絶する。その後、明子は喜久子がやはり母親だったことを知る。以下略。
小津作品のなかでは暗い作風で失敗作といわれることが多い。個人的にはいい作品だと思うのだが。
Tokyo Twilight (1957) : Yasujiro Ozu : Free Download, Borrow, and Streaming : Internet Archive
全編。
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