料理のコツ

秋山徳蔵著『料理のコツ』(有紀書房、1959年)。「天皇の料理番」として知られた秋山徳蔵が一般向けに料理のコツ、具体的には材料の選び方、魚の旬、調味料や油の使い方、火加減などを簡潔かつ分かりやすく説明している。いわゆるレシピ本ではない。写真はなく、図も少ない。

秋山徳蔵著『料理のコツ』新版(有紀書房、1984年)
秋山徳蔵著『料理のコツ』新版(有紀書房、1984年)

例えば、きうりの選び方は「全体の太さが同じくらいで、素直なスンナリした型のものがうまい。また、さわってみてプツプツしたトゲのようなものの触感が鋭いもの、色もうす緑で白い粉のついたものが新しいのである」「太からず細からずという程度のものを選ぶことだ」。えだまめは「一つの枝にさやがなるべくたくさんついているもの、そしてさやに粒がたくさんあって、よく膨れているものがよい。黄色なもの、実膨れの薄いものは避ける」。

また、八月が旬の魚は「スズキ、アジ、アワビ、ウナギ、ドジョウ、カジキ、キハダ、シイラ、イサキ、コチ、イシダイ」。


料理のコツ -秋山徳蔵 著|文庫|中央公論新社
有紀書房は2019年に清算されたが、『料理のコツ』は中公文庫で再刊されている。

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