PDFファイルの閲覧にはいろいろなアプリが利用できる。PDFの本家のAdobeからはAdobe Readerが提供されている。Adobe Readerはバージョンアップによって機能が追加され、便利にはなっているのだろうが、ただ単に閲覧するためにはかえって使いにくいというか煩わしいように感じる。最近はブラウザあるいはMuPDFで閲覧することが多い。
MuPDFはPDF、XPS、EPUBなどをレンダリングするためのオープンソースのフレームワーク。2002年にTor Andersson氏が開発し、その後、Artifex Softwareが買収した。MuPDFのビューアーのインターフェイスは非常にシンプルで、メニューバー、ツールバー、スクロールバーなどもない。一見とっつきにくいが、動作は極めて軽快である。Windows、macOS、Linux、Android、iPhoneなどで利用できる。無料。
MuPDFのスクリーンショット(Windows 10)
MuPDFは公式サイトからダウンロードできる。ソースコードからビルドするのが基本らしいが、面倒なので、Windows環境向けにビルドしたパッケージ(例えば、mupdf-1.23.0-windows.zip)をダウンロードしている。このパッケージを展開し、解凍後のディレクトリ中のmupdf.exeを実行するとPDFが閲覧できる。
MuPDFのビューアーではマウスによる文書のスクロールはできるものの、大半の操作はキーボードショートカットで行う。「[」は左回転、「]」は右回転、「+」はズームイン、「-」はズームアウト、「h」「←」は左へスクロール、「l」「→」は右へスクロール、「↑」は上へスクロール、「↓」は下へスクロール、「PgDn」は次のページ、「PgUp」は前のページ、「>」は10ページ進む、「<」は10ページ戻る、「G」は最終ページへ移動、「123g」は123ページに移動、「/」はテキスト(英数字)の検索、「n」は次の検索結果を表示、など。残念ながら、日本語によるテキスト検索はできない。
MuPDFにはビューアーの他にPDFファイルの編集を行うコマンドラインツールのmutoolなどが同梱されている。例えば、infile1.pdfとinfile2.pdfを結合してoufile.pdfを作成する場合、シェルから下記のようにmutoolを実行する。
mutool merge -o outfile.pdf infile1.pdf infile2.pdf
mutool mergeの実行例(Windows PowerShell)
Android用のMuPDF viewerはGoogle PlayやF-Droidからダウンロードできる。インターフェイスはWindows版と異なり、リンクボタン、検索ボタン、目次(利用可能なら)、スクロールバーが表示される。
Android用のMuPDF viewerのスクリーンショット(Sony Xperia XZ1)
MuPDF: The ultimate library for managing PDF documents
公式サイト。MuPDFなどがダウンロードできる。
MuPDF viewer | F-Droid - Free and Open Source Android App Repository
Android用のMuPDF viewerがダウンロードできる。
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