イーディ、83歳 はじめての山登り

サイモン・ハンター監督によるイギリス映画『イーディ、83歳 はじめての山登り』(2017年)。ロンドンに住む老婦人が長年の憧れだったスコットランドのスイルヴェン山(Suilven)の登頂に挑む。原題: Edie。写真はスイルヴェン山を登るイーディ(シーラ・ハンコック)。
Edie (2017)

イーディス・ムーア(シーラ・ハンコック)は83歳。通称イーディ。ロンドンの郊外に独り住む少し気難しい老婦人。
Edie (2017)

夫ジョージは30年間に渡る介護の末に亡くなった。3年前のことだ。
Edie (2017)

娘ナンシー(ウェンディ・モーガン)はイーディを老人ホームに入居させようとする。イーディはそれが気に入らず、娘との関係は次第に険悪になる。
Edie (2017)

子どものころのイーディはヤンチャだった。山好きの父親が亡くなる少し前にスコットランドのハイランド地方にあるスイルヴェン山の登山を計画したことがあった。父親からは「この変な山を一緒に登ろう」「昔を懐かしみながら」と書いた絵ハガキが届いた。イーディは行きたかったが、夫の反対で実現しなかった。夫は自己中心的で妻に対して支配的な態度をとる男だった。イーディの結婚生活は不幸だった。夫の反対でスイルヴェン山に父親と行けなかったことは不自由な結婚生活の象徴のように思えた。
Edie (2017)

ある日、イーディは馴染みのフィッシュ&チップスの店に入り、「いつものを」と頼む。注文した料理を食べ終えたイーディは物足りなく感じて、「追加注文には遅い?」と訊ねる。店主は気さくに「何も遅すぎることはないさ(Never too late for you)」と答える。
Edie (2017)

イーディは心残りだったスイルヴェン山に登ることに決める。亡き父の登山道具を携え、寝台列車で単身スコットランドに向かう。
Edie (2017)

イーディは終点のインヴァネス駅で登山用品店のジョニー(ケヴィン・ガスリー、右)と知り合う。イーディは独りで登るつもりだったが、「独りで登ってケガしたら困る」とアドバイスされ、彼をトレーナー兼ガイドに雇う。ただし、報酬は「満足した場合だけ払う」。
Edie (2017)

いよいよスイルヴェン山に登る日、イーディは「独りで行く」「あなたに助けてもらっては意味がない」といい、途中でジョニーを帰す。ジョニーはイーディに自分の携帯電話を手渡し、彼女を見送る。
Edie (2017)

イーディは湖の対岸までボートを漕ぎ、2夜のソロキャンプを経て、スイルヴェン山に挑む。
Edie (2017)

スイルヴェン山は標高731m。山頂は広い草原だが、その周りは険しい急坂に囲まれている。
Edie (2017)

世の中は偏屈な人間や底意地の悪い人間が多く、心優しい人間や善良な人間は少ないが、それでも救いは得られるというややこしい味わいの映画。写真はスイルヴェン山を登るイーディ。
Edie (2017)

イーディ役のシーラ・ハンコックも当時83歳。撮影では実際にスイルヴェン山に登ったそうだ。これはスイルヴェン山の最高齢での登頂ということだ。スコットランドの山岳地帯の風景が美しい。写真はスイルヴェン山の頂上に立つイーディ。
Edie (2017)


『イーディ、83歳 はじめての山登り』予告編 - YouTube

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