本日休診

渋谷実監督による松竹映画『本日休診』(1952年)。東京の下町の町医者の近辺で起きるいろいろな出来事を描いた人情喜劇。原作は井伏鱒二の『本日休診』と『遥拝隊長』。英題: Honjitsu kyūshin。写真は三雲病院の看板。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

三雲病院の三雲八春(柳永二郎)は戦争で一人息子を失う。戦後、甥の三雲伍助を院長に迎えて再出発した。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

その再出発一周年の記念日、三雲病院は「本日休診」とし、伍助らは温泉に出かけることにした。伍助(増田順司、右から2人目)は看護婦の瀧さん(岸惠子、右端)といい仲だ。八春(左から2人目)と婆やのお京(長岡輝子、中央)が留守番をする。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

せっかくの休診日なのに、八春には入れ代わり立ち代わりいろいろな事が起きる。お京の息子の勇作(三國連太郎)は戦争で精神に変調をきたしている。休診日は勇作のいつもの発作で始まる。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

松木巡査(十朱久雄、右)が悠子(角梨枝子、左)という若い女を連れてくる。大阪から出て来たばかりの悠子は前夜暴漢に襲われ、持ち物を奪われた。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

18年前に八春が帝王切開で助けた湯川三千代(田村秋子、左)が訪ねてくる。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

三千代がそのときに産んだ息子の春三(佐田啓二)も一緒だった。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

町のヤクザの津和野加吉(鶴田浩二)が指を詰めるから麻酔を打ってくれと来る。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

加吉の女のお町(淡島千景)は指詰めを止めさせたいと付いて来る。八春は加吉に考え直すように言い含める。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

八春(手前)は砂礫船の船頭の女房(水上令子、奥)のお産に往診を頼まれる。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

悠子を襲った暴漢とその女(望月優子、左)が警察に捕まる。女は仮病を装って、警察署で八春を誘惑する。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

三雲病院にガラの悪い盲腸患者が担ぎ込まれる。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

三千代(右)は悠子(左)に同情して家に連れて帰る。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

休診日が過ぎても三雲病院ではいろいろな事が起きる。若い男が刺青を取りたいとやって来る。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

八春は有閑マダムの豊子夫人(市川紅梅、後に市川翠扇)に往診する。豊子の夫はお町の旦那である。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

春三は悠子にタイピストの仕事を世話する。悠子は仕事がよくできた。料理も上手い。八春(左)は春三の相手にどうだと勧める。三千代(右)は「料理の上手な女は色好み」などとなぜか気乗りしない様子を見せる。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

お町(手前)が倒れる。お町の兄の竹さん(中村伸郎、中)は甲斐性がない。加吉は堅気になって、お町を連れて田舎に帰るという。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

八春(右端)は悠子、春三、勇作を伴って釣りに行く。悠子と春三はデート、勇作は荷物持ちだ。しかし、八春は肝心の釣り糸を忘れてしまう。
渋谷実監督『本日休診』(1952年)

戦後間もない東京の下町の雰囲気が伝わってくる。八春役の柳永二郎の飄々とした演技がいい。新劇や新派の大物やその後名を成す当時の若手俳優が多数出演している。


本日休診 渋谷実監督 柳永二郎 角梨枝子 鶴田浩二 淡島千景 田村秋子 三國連太郎 佐田啓二 岸恵子 1952年製作 - YouTube
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