2023年10月下旬某日、東村山市の八国山緑地を散策する。八国山緑地は狭山丘陵の東側にある都立公園。元弘の乱などの古戦場跡でもある。宮崎駿監督によるアニメ映画『となりのトトロ』(1988年)の舞台のモデルの一つともいわれる。英名: Hachikokuyama Ryōkuchi。写真は八国山緑地の遊歩道。
西武新宿線の東村山駅西口から八国山方面に歩く。この一帯には小川が多い。川沿いからは縄文遺跡が多数発見されている。かつては東山道武蔵路や鎌倉街道が通り、古代から交通の要衝だったが、江戸時代には幹線道路から外れた。
少し遠回りして正福寺に寄る。臨済宗建長寺派の禅宗寺院。開基は北条時頼または北条時宗。地蔵堂(写真)は1407年建立の禅宗様仏殿。東京都に2つある国宝建築物の一つ。
久米川古戦場跡の碑。久米川は新田義貞による鎌倉倒幕(元弘の乱)など幾多の古戦場となった。碑のすぐ向こうの木立が八国山。
久米川側の入口から八国山緑地に入る。八国山は標高89.4m。なだらかな丘陵を歩く。
雑木林のなかを遊歩道が続く。八国山の名は八カ国の山々が望めたことに由来する。今はその眺望はない。
元弘青石塔婆所在跡の碑。かつて元弘の板碑(現在は東村山市・徳蔵寺蔵)が立っていた。
将軍塚の碑。元弘の乱では桜田貞国を総大将とする鎌倉幕府軍が八国山に陣営を張った。新田義貞軍が久米川の戦いで幕府軍を撃ち破った後、八国山に旗を掲げたといわれる。
八国山から所沢市街地を望む。市街地の向こうには小手指原が広がる。元弘の乱では初日の小手指原の戦いで決着がつかず、翌日の久米川の戦いで新田義貞軍が勝利した。
遊歩道沿いの雑木林。八国山の雑木林はコナラやクヌギの木が多い。ナラ枯れのせいか落ちた枝が目立った。
おおぞら広場(写真)など開けた場所がいくつかあり、ベンチが置かれている。
木立の隙間から見える白い建物は東京白十字病院。隣接した新山手病院とともに八国山の一角に建ち、『となりのトトロ』の七国山病院のモデルといわれる。
東京都と埼玉県の境に沿ったなだらかな尾根道を行くと西武西武園線の西武園駅の前に出る。コース全体で1.9km。八国山緑地は住宅地から少し入るだけでフィトンチッドを感じることができる。
八国山緑地 | 狭山丘陵の都立公園
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