黒岩スリッパ店もどき

かつて御茶ノ水駅前に黒岩スリッパ店というスリッパ専門店があった。都内在住の叔父さん叔母さん夫婦(その子どもが従姉妹のジュンコちゃんやノリコちゃんである)に教わって、長らくこの店のスリッパを愛用した。職人が丁寧に作るので一般のスリッパよりも割高だったが、デザインは洒落ているし、品質の高さは歴然としていた。なかでも夏場にサービス品として作っていた、爪先の開いたサンダル型のコットンのスリッパが軽くて柔らかくさっぱりした履き心地で気に入っていた。汚れたら洗濯機で洗えるのもよかった。

残念ながら、黒岩スリッパ店は2009年に閉業した。ネットで検索すると黒岩スリッパ店を懐かしむ声は多い。その後はあちこちのスリッパを渡り歩いてきた。

先日、無印良品の通販サイトで黒岩スリッパ店のそのサンダル型に似たスリッパを見かけた。柄はありきたりだが価格は690円と安い。もしかしたらと思って取り寄せた。予想通り、黒岩スリッパ店のスリッパに近いタイプだった。洗濯もできそうだ。黒岩スリッパ店のものよりも甲の部分が大きく(デザイナーは何を考えてこんなに大きくしたのだろうか)、生地や作りはチープで履き心地も劣るが、本家本元がない以上、贅沢はいえない。今年の夏はこのスリッパで行くことにして、別の色も追加で注文した。商品名は「洗えるマドラスチェックスリッパ」。
無印良品 - 洗えるマドラスチェックスリッパ

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