手拭

日頃はハンカチを使わない。手拭を使う。大判なのでたくさん汗をかく時季には重宝する。首に巻けば冬なら防寒、夏なら汗止めや日焼け止めになる。頭に巻けば鉢巻、被れば帽子だ。外仕事をするときなど必需品だろう。外出時にふらっと銭湯に入ってもそのまま使える。おにぎりなどを包むのにもよい。芸事や武道の小道具になる。端が切りっぱなしで縫われていないので乾きやすく衛生的だ。緊急時は包帯や三角巾になる。バッグに2、3枚入れてもかさ張らない。使い古しは布巾やはたきなどに転用できるし、(やや時代錯誤かもしれないが)おしめにもリメークできる。藍染めの和風柄など洒落たデザインが多い。柿渋染めも風情がある。商店名などが入ったのもキッチュだ。コロナ禍でマスクが不足したときは手拭で和柄のマスクを作った。和裁ができるなら浴衣にも仕立てられる。他にも用途や利点は諸々ある。いいことずくめだ。

最近、海外では日本の一昔前のシティポップや和ジャズが注目されているらしい。手拭も和ハンカチ、和バンダナ、和スカーフ、和バフなどに化けて大ブレークするかもしれない。それほどの優れものだと思う。

楊洲周延『真美人 手拭』(1897年)。
楊洲周延『真美人 手拭』

手拭は布地の木綿の品質が重要だ。残念ながら、今時のものは昔のものに比べて布地の品質が劣るように感じる。デザインは現代的で見映えがするが、肝心の手触りや肌触りがよくない。それに(100円ショップを除けば)手拭とは思えない値段がついている。それで手拭は古道具屋や骨董市で買う。この場合、都心のお洒落な骨董屋などよりも下町や近郊の古道具屋や骨董市のほうがいい。こういう骨董市には手拭のストックを多く持つ関東近県の骨董屋が出店する。古道具屋や骨董市といっても使い古しを買うわけではない。未使用のデッドストックを買う。商店や企業の宣伝のための手拭が多いが、踊りの発表会で配ったものなどもある。好みの手拭を選ぶのは楽しい。1本100円くらいのことが多い。

川越成田不動尊蚤の市で数年前に購入した手拭。選り取り見取りで10本500円だった。門前仲町の富岡八幡宮骨董市などでも買ったことがある。
手拭

手芸用品店に行くと手拭用の布地を売っている。豆絞りなど古典的な柄が揃っている。必要な長さを量り売りで購入し、自分で90cmくらいに裁断する。端は通常縫わないが、ほつれるのが気になるなら端を三つ折りにして縫う。ただ、木綿の品質はやはり昔のものが優る。


Toyohara Chikanobu: Beauty in the Wind - Japanese Art Open Database - Ukiyo-e Search

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