あと千回の晩飯

山田風太郎『あと千回の晩飯』(朝日新聞社、1997年)。「いろいろな兆候から、晩飯を食うのもあと千回くらいなものだろうと思う」という書き出しで始まる、老境の日々を綴ったエッセイ集。山田風太郎の風変わりなものの考え方が随所に顔を出す。

「昭和の番付」という一文のなかで「日本を亡国の運命に巻き込んだめんめん」を挙げている。太平洋戦争における戦争責任者の番付である。以下に引用する。

第二、近衛文麿。日中戦争から太平洋戦争開戦まで首相であった責任。
第三、石原莞爾。十五年戦争の序幕となった満州事変勃発の責任。
第四、東條英機。「やはり、ねじり鉢巻で清水の舞台から飛んだ東条が引き受けるほかはあるまい」。
第五、山本五十六。戦力的に優位だったミッドウェー海戦での敗北の責任。
第六、「いや、それよりも一番目はどこへいった?」。
(引用はここまで。)


「あと千回の晩飯 山田風太郎ベストコレクション」 山田 風太郎[角川文庫] - KADOKAWA
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