伊藤大輔監督による大映映画『獅子の座』(1953年)。江戸時代末期に将軍家の庇護を受けた能楽宝生流宗家に生まれた十六世宝生九郎の幼年時代(幼名石之助)を描いた作品。英題: The Noh Master's Throne。
宝生流宗家の宝生弥五郎(長谷川一夫)と妻の久(田中絹代)は将来後継者となる子の石之助(津川雅彦)を温かくも厳しく仕込む。しかし、石之助の上達は芳しくない。そうした中、将軍家の後援を得て数十年ぶりに勧進能が催されることになり、稽古は厳しさを増す。
長谷川一夫と田中絹代の演技が素晴らしい。子役の津川雅彦(当時は加藤雅彦)も立派。当時の一流能楽師が協力しており、稽古や能舞台のシーンは見ごたえがある。伊藤大輔の作品は立て付けに寸分の狂いもない。
母の久(田中絹代)と石之助(津川雅彦)
田中絹代は古今の日本映画を代表する希代の女優。田中絹代が出てくると一緒に演じている俳優の多くが大根役者に見える。さすがに、この作品で夫役の長谷川一夫はそんなことはない。
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