清水宏監督による松竹映画『簪』(1941年)。山中のひなびた温泉宿での逗留客の交流劇。英題: Ornamental Hairpin

納村青年(笠智衆)は露天風呂に落ちていた簪を踏んで足に怪我をする。簪は前日宿泊した蓮華講の一行の太田恵美(田中絹代)の落とし物だった。恵美は納村に謝るため宿に戻る。
簪の露天風呂シーン

納村青年をおんぶして橋を渡る恵美
簪の橋のシーン

清水宏は「役者なんかものをいう小道具」という傍若無人な発言が有名だが、作品はあっさりとした趣があって嫌みがない。

田中絹代は二十歳前に清水宏と2年間同棲し、それを解消した後は独身を通した。これは二人が別れてから10年ちょっと後の作品だ。

気難しい片田江先生(斎藤達雄)が温泉旅館のワンパターンな食事に憤慨して熱弁をふるう。あれは戦前からそうなのか。


Ornamental hairpin(1941) - YouTube

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